ショタコンの語源

構成要素:属性 − ショタ


言いはじめたのは誰?

 「ロリコン(ロリータコンプレックス)」の語源が、ナボコフの小説「ロリータ」に由来することは世界的に知られている。しかし、少年への偏愛に限定された「ショタコン」については、日本国内に浸透するばかりである。
 ご存じの方も多いであろう、後者は日本で発明された言葉だ。
 初出は当時隔月雑誌であった「ふぁんろーど」(1981年5月号)。これは後に「ファンロード」と改題されたオタク向け投稿雑誌の創刊5号である。
 このP.73に「ふぁんろ〜ど★くりにっく」というコーナーがあり、読者が質問をし、編集者や別の読者が、ときにはマジメに、ときにはネタで回答をするという誌上Q&Aを展開していた。

以下枠内引用(※投稿者名は割愛、BGは掲載時ママ、赤字部分はこちらの手によるもの)
Q ぼくにミーハーとロリコンとロリータコンプレックスのちがいをおせ〜て下さい!
A ミーハーはお子様で、ロリコンはお子様しか好きになれないことで、ロリータ・コンプレックスはそのフルネームです。
Q 男の人が小さな女の子を好きなのをロリコンといっている意味はわかるのですが、それじゃあ、女の人が小さな男の子を好きなのはなんというのでしょうか……。
A 同じ言葉で総称してもいいはずです。そもそもロリコンは、ロリータという女の子を好きになったことからきた名称ですが、正太郎クンを好きになったからショタコンとかいうのは、なんとなくゴロが悪いではありませんか。
 ふぁんろーど1981年5月号(昭和56年5月25日発行)定価390円
 編集人:浜松克樹 発行人:海野榮一 発行:ラポート株式会社 印刷:大日本印刷株式会社


 この「正太郎クン」とは、横山光輝氏のSFマンガ「鉄人28号」の主人公「金田正太郎」のこと。これは最も一般に知られている少年キャラとして引用されたのだろう。
 ちなみに、当時の読者は、1981年という時代から、日本テレビで放映されていたアニメ「太陽の使者 鉄人28号」(放映期間:1980年10月3日〜1981年9月25日)を思い浮かべていたことだろう。
←「ショタコン」という言葉がはじめて誕生した「ふぁんろ〜ど1981年5月号」。古書店で入手したため、表紙がボロボロなのはカンベンされたし


その言葉はすぐさまに市民権を得た

 編集部側は、「ショタコン」をネタとして提起したつもりだったのだろう。
 しかし、ふぁんろ〜ど読者(後にローディストと総称される人々)に、この言葉は抵抗なく広まってしまったようだ。次に発行された7月号では、早くも巻末の「ろ〜どらんなあ」というコーナーで「ショタコンVSロリコン!?」 というワクが設けられるぐらいのハガキが届いている。
 また、同号「ふぁんろ〜ど★くりにっく」でも、編集部側がこの用語を公式なものとして使用しているのがわかるだろう。

以下枠内引用(※投稿者名は割愛、BGは掲載時ママ)
Q ぼくのように男が男の小さい子(カツやパイパー・ルウなど)を好きになるとなんというのですか?
A やっぱりこれも、ショタコン(正太郎コンプレックス)の一種でしょう……。
 ふぁんろーど1981年7月号(昭和56年7月25日発行)定価390円
 編集人:浜松克樹 発行人:海野榮一 発行:ラポート株式会社 印刷:大日本印刷株式会社


 そういうわけで、「ショタコンの語源って?」という幾度となく繰り返された話題が、馴染みの匿名掲示板にでも上がった場合、この記事を読んだ貴方は「ファンロードが発祥である」と書き込むことができる。
 そして、誰かに先を越された場合は、「正確にはふぁんろ〜どだよ」と揚げ足を取ってみせることもできるのだ。